ACANTHUS

track

以前別素材にて展開していた“track”モデルの素材を変更したアップデートモデル。脇パーツを一枚で裁断する独特な切り替えになっているがその他デザインなどはシンプルな作り。風合い豊かな吊り機で編み上げたヘビージャージを使い、さらに硫化染めを施し生地の表情を追求した1着。

素材は、度詰めヘビージャージを使用。吊り機で編み上げた裏毛素材。吊り編み機とはニット製品が工業的に出てきた明治時代から昭和30年頃まで活躍していた編み機。吊り機は非常に生地を編む効率が悪いため、その後に生まれる高性能な新しい編み機が主流になっていく。その為現在ではごく少量の吊り機しか残っていない。その吊り機で編み上げた生地は、編む際に糸にほとんどテンションがかからない為、糸自体のふっくらとした表情を生かしたまま生地を編む事ができる。使い続けても風合いを損なわず、着用の度に体にフィットしていく生地が完成する。
加工は、硫化染めを施す。硫化染めは後加工によってその魅力が充分に発揮される。洗いにより色落ちの風合いが楽しめたり、またブリーチをかける事によっても同色調でフェード（色が薄くなる）していくので加工によるコントロールがしやすくなる。硫化染めは良く顔料染めと比較されるが、顔料に比べて硫化は色落ちが少ない為、仕上がりが　カジュアルになり過ぎない点が高級衣料などに好まれる。また風合いも顔料染めは硬くなるのに対して硫化染めは柔らかい風合いを保つ。